サブタイトル:―学生相談室のはたらき―
国内モノクロ版(ペーパーバック)
サイズ:A5版　B/W 234頁
著者:川西利昌・小川貫・香取照臣・三宅方子・谷川寛樹

これは理工系の大学生と教職員への手紙である。理工系大学での学習は、実験・実習・製図など実技科目がありグループで作業する。また卒業研究は研究室に所属し教員や大学院生らと研究に励む。これらは極めて優れた教育方法であるが、一方対人関係に悩む学生が多数いる。深刻な場合は休退学に至ることがある。本書の特徴は三つある。一つは、理工系の大学生と教員の抱える多様な問題を取り上げている。二つ目は、学生相談室に教員インテーカーとカウンセラーの密な連携によるチーム援助が記されている。三つ目は、通常この種の本はカウンセラーにより執筆されるが、本書は教育研究に従事する教員に書かれたため、他の教員にもすぐ役立つ具体的な事例が数多く取り上げられている。本書は第1部理工系の学生相談、第2部、第3部は教員インテーカーの働き、第4部、第5部はカウンセラーの働き、から構成されている。各部は豊富な事例が記されている。本書を読むことにより、理工系の大学生や教員が、自分だけが悩んでいるのではなく、他にも同じような悩みを持つ人々がいることを知り、少しでも悩みを軽減できれば幸いである。

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